いつだってフラグタイム
フラグタイムとか言うすこぶる良い百合作品があるらしい。僕の周りのクソオタクたちがそう言う事をほざきだしてからフラグタイム、やばと言う流れになるまでさして時間はかからなかった。そんなオタク共を流行りか〜?とか思いながら見てた。
流行りはすぎるもので、また新しい神的な流行りがやってくる訳で、じゃあすぎた流行りはどこに行くか?残る者の心に残る訳です。
そんなフラグタイムを心に刻んだ者たちが2人、僕の前に颯爽と現れた。
小さな六畳1kの部屋、もちろん僕はテレビ画面の真正面でそれを見る。
フラグタイムを既に刻んだ彼らは隅の隅、自分たちの挙動が煩いからとこの狭い部屋の対極に位置するような場所で、叫たい声を抑え、小さく縮こまって、何度目かのフラグタイムを刻む。
そんな最高のシチュエーションで僕はフラグタイムを刻んだ訳です。
結論としては素晴らしい映画だった。舐め腐っていた。仮に青春的数値があるとしたらフラグタイムの彼女らはそれをカンストしているに違いない。
フラグタイムを見た人の中にはこの青春的数値に疑問を持つ者もいるかもしれない。もっと良い青春があるのでは?そう、例えば、世間様で言われているような汗と涙の物語とかー。
でも僕ははっきり言います。あれは青春です。それもかなり最高峰の青春だろう、と。
でも青春ってなんなんでしょうか。僕自身、世間様から見るとそんなに良い青春時代を送っていないとされるような生活をしていました。
ですが、隅っこにあるんです。僕が、僕自身がこのお粗末な青春時代をはっきり「青春だった」と言える何かが。
フラグタイムってそう言うことなんじゃないでしょうか。彼女達がお互い確かめ合って踏み込んだその気持ちを、行動を、時間を。それに対して僕は酷く共感してしまって。
あの暗かった思い出したくもないような時間でも、ふと見渡した教室にいた名前も覚えていない異性。何気なく落書きして褒められた絵。友達から回ってくる手紙。普段なら絶対に話さないような立場にいるあの子との秘密の関係。
そんな記憶に踏んづけられそうな小さい思い出が根底にあるから、きっと僕は僕のお粗末青春時代を最高の青春だと言えるんです。
誰でも根底に持ってるそんな最高の青春を、甘かれ苦かれフラグタイムは思い出させてくれました。
それに更に主人公である森谷美鈴と村上遙の関係性を絡めてくる訳です。これから生きていくであろう彼女らの長い人生の、沢山の〝初めて〟を映像を通して分かりやすく砂時計を傾けてくれる訳です。
これが最高じゃなくてなんだと言うんだ!って感じ。
フラグタイムはそりゃ定義は百合作品なんですけど、僕は本当に青春を感じてしまったんです。それもキラキラしたもんじゃなく僕みたいな人間にも確実に存在した何か。生きていて、たしかにフラグタイムだった瞬間がある。先述した2人のオタクが空に吠えていた意味が分かりました。
最高の映画でした。
ありがとうフラグタイム。
ありがとうわざわざアタッシュケースに入れてまで持ってきてくれたオタク。
ありがとうただ吠えたあげく自分の百合観念がバズったオタク。
そして何より、最初に宣伝の伊藤美来の声だけでフラグタイムの視聴を決めたオタク。
フラグタイム、最高でした。
さて、休憩に漫画でも読むか!おや、これは…?
…。
フラグタイム、是非みんな見て下さい。
以下ネタバレ(走り書きのメモに近い)
村上遙が単語帳の場面で森谷美鈴の部分を読み上げた時の「秘密の共有」
結果的に森谷美鈴の時間を止める能力がそれに該当した訳ですが僕はこれ、どんなものでも良かったんじゃないかな、と。書き方的に時を止める能力がある事を知る前に書いたんじゃないか?村上遙、恐ろしい子…。
んで、森谷美鈴の止めた時間の中で村上遙だけが動けることに関しては森谷美鈴が村上遙に興味を持ったからだ、となっていますがこれは確実に逆なのは承知の上でじゃあ、いつから村上遙は森谷美鈴の時間の中で動けていたのかなっていう。
きっと4月と言うか、中学から高校に上がって間際、村上遙の中で森谷美鈴を意識させる何かがあったんだろうな。例えば本とか。
でも、村上遙は森谷美鈴が読んでた本だから読んでみよう、じゃなくてクラスメートが読んでる本は何か話題を振るタイミングが今後出た時に絶対困るから一通り読んでおこう。みたいな馬鹿か?みたいなことをやりそうなんだよな〜とも。わかんねぇ、フラグタイムがわかんねぇよ…。
森谷美鈴が時を止める能力を持っていなかったとしても2人が繋がらなかった訳ないんですよ。だって森谷美鈴の時間の中に村上遙だけが入れているのは特別だからでしょう。でもお互い特別だったわかったのは時が止まった世界の中で2人だけが動けているからで…あぁ〜ッ!!!!!!!!良く分からん!!!!!!
あと小林ゆかり、漢字あやふやなのでひらがなで。世界で1番の功労者すぎるでしょ。彼女がいなかったら回るもんも回らん。彼女中心にフラグタイムは回っとる。君なら絶対に漫画家になれる。なってくれ、僕たちの為に。